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なぜ、ワードプレスが話題になっているのか
ブログやWebサイトを構築するためのソフトウェア「ワードプレス」が話題になっています。
私も仕事でワードプレスを利用したWebサイトを制作したり、プライベートでもワードプレスでブログを立ち上げて運営したりしています。
周囲にも、ワードプレスを利用している人たちが多いようですが、なぜ、これほどワードプレスが話題になっているのでしょうか。
そもそも「ワードプレスって何?」と疑問に思われている方も多いかも知れません。
ワードプレスとは、Webサイトやブログを集中管理するためのソフトウェア「コンテンツ・マネージメント・システム(頭文字を略してCMSと言われます)」の一種です。
そもそもWebサイトは「ひとつのサイト」のように見えていても、文章となるファイルや画像ファイルを組み合わせることで、ページを表現する仕組みになっています。さらに、そのページがいくつも相互に関連することで「ひとつのサイト」として機能しているのです。
CMSが存在しない時代は「ページを構成するファイル」や「ページごとの関連性」をすべて手作業で管理する必要がありました。
しかし、そのすべてを手作業で管理するのは大変ですし、時間もかかります。Webサイトが小規模であれば何とかなりますが、ページ数が多い大規模なサイトになると、どうしても構造が複雑になります。
何よりもWebサイトのファイル管理には、ある程度の専門知識が必要です。そこに手を取られて、肝心の記事を更新する時間がなくなってしまっては元も子もありません。
そこで、複雑なファイル管理を効率的かつ自動的に処理してくれる「CMS」が誕生しました。
CMSにはファイル管理の機能だけではなく、専門的な知識がなくてもブログ記事などのコンテンツを編集・更新できる機能が備わっていたことで、爆発的に普及したのです。
CMSには様々な種類のソフトウェアが存在していますが、特にワードプレスが話題になっている理由として「一般的なサーバー会社のサービスで問題なく動作すること」そして「ソフトウェア料金が無料であること」があげられます。
また「ワードプレスは世界シェアNo1のCMSである」という事実も、話題となっている大きな理由のひとつです。
ワードプレスはなぜ世界シェアNo1になったのか
オーストラリアのQ-Success社によるネット調査「W3Techs」は、テクノロジー分野のシェア統計としてよく参考にされるサイトですが、このCMSシェア調査において「ワードプレス」はダントツの1位を記録し続けています。
記事執筆時点(2017年7月)の時点で、CMS全体に占めるワードプレスのシェアは「59.2%」と過半数を超えています。さらに、CMSの有無にかかわらず全世界のWebサイトのうち実に「28.3%」がワードプレスで動作しているという調査結果が発表されています。
これは、4つのサイトがあれば、少なくとも1つはワードプレスで動作している計算となる数値です。
CMSには数多くの選択肢があるにもかかわらず、なぜワードプレスのシェアが飛び抜けて高いのでしょうか。
そこには、ワードプレスの3つの特徴が関係しているのではないかと考えられます。
(1)インストールが簡単で、誰にでも使いやすく、プラグインやテーマで簡単に機能をカスタマイズできる。
ワードプレスは一般的なサーバー会社が提供しているサービスで動作するように設計されており、インストールも比較的簡単に行えます。サーバー会社によっては、ボタン1つでインストールできるサービスを提供しているところもあります。
また、管理画面も整理されてわかりやすく、基本的な操作方法さえ覚えてしまえば記事の投稿や編集も簡単に行うことができます。
さらに機能を追加するためのプラグインや、デザインを変更するためのテーマが大量に配布されており、複雑な操作をしなくても「自分好み」にカスタマイズしたサイトやブログをすぐに立ち上げることができるのです。
(2)無料であり、さらに利用ライセンスも自由度が高い。
無料で利用できるのはワードプレスの大きな特長ですが、それだけではなく「GPL(GNU General Public License)」という利用ライセンスを採用していることも、ワードプレスがシェアを拡大した大きな理由です。
たとえばMicrosoft Officeのようなソフトウエアは、お金を払って正式なライセンスを購入しなければ利用できませんし、勝手にコピーして配布・販売することはできません。
もし、そのようなことをすれば、犯罪になってしまいます。
しかしワードプレスが採用しているGPLライセンスでは、「自由に利用でき、自由に配布する」ことが許諾されています。
このGPLライセンスによって、個人はもちろん、ライセンス条件に敏感な企業でも安心して利用しやすいようになっているのです。
(3)世界中で活発なコミュニティが活動している。
現在、ワードプレスを開発しているのは特定の企業ではなく「ワードプレスの開発プロジェクト」にボランティアで参加している、世界中のユーザーやエンジニアです。
この開発プロジェクトが活発に活動しているために、ワードプレスは新機能の追加やセキュリティ対策のアップデートを短い間隔でリリースし続けています。その結果、誰でも安心して最新のワードプレスを活用できる環境が整っていると言えます。
また、開発プロジェクト以外でも、ワードプレスに関心のある人々が独自の勉強会やセミナー、イベントを積極的に開催しており、日本国内でも「ワードベンチ」という地域コミュニティによる勉強会と「ワードキャンプ」という大がかりなイベントが定期的に開催されています。
開発者となるエンジニアだけではなく、利用ユーザーも加わったコミュニティの活発な活動は、ワードプレスのシェアの拡大を後押ししている大きなポイントだと言えます。
ワードプレスはどんな用途に向いているのか
どのようなサイトでもワードプレスで構築することができますが、中でも得意としているのはブログサイトの構築です。ブログサイトであれば、ワードプレスの基本機能だけですぐに運用をスタートすることができます。
ブログの運用をスタートした後でも、管理機能からデザインテーマを変更すれば見た目の個性を出すこともできますし、訪問者からのアクションを受け取る「お問い合わせフォーム」も、プラグインをインストールすれば簡単に実現できます。
また、ワードプレスの操作に慣れてきたら、SEO対策のプラグインなども導入して、さらに高度なカスタマイズを加えることもできます。
このように、ブログ管理者のスキルに合わせて、段階的にカスタマイズできることもワードプレスの利点です。
もし、ワードプレスでWebサイトを構築する場合は、ブログよりも少し複雑なカスタマイズが必要になります。
なぜならWebサイトはブログと比較して、レイアウトがページごとに異なっていたりするなど、サイトの構造がやや複雑になる傾向があるからです。
それでも、企業サイト用やポートフォリオ用のデザインテーマも配布されているため、いちからWebサイトを構築するよりはずっと簡単にサイトを完成させることができます。
ワードプレスのメリットとデメリット
ワードプレスのメリットは、高機能であることはもちろんですが、何よりもシェアの大きさを背景とした関連情報の多さです。
たとえ何か問題が起こったとしても、ほとんどの場合、ネットで検索すればすぐに解決策を見つけることができます。
書店にも数多くの関連書籍が並んでおり、初心者用の本を一冊購入しておけば、はじめてワードプレスを使うという方でも気楽に利用を開始することができます。
たとえ高機能だったとしても、シェアが小さく、あまり知られていないCMSはネットや書籍から得られる情報が少いため、単純なトラブルを解決するために丸一日かかってしまった、ということもざらにあります。
豊富な情報がすぐに手に入ることは、ワードプレスの大きなメリットです。
逆にデメリットは、サーバー攻撃の対象になりやすいことです。
シェアの大きさゆえに世間の注目度も高く、ハッカーに狙われやすいのです。
記憶に新しいところでは2017年2月にも、セキュリティに関するワードプレスの問題点が発見されました。
この時、対策が遅れた数多くのワードプレスサイトが「改ざん」の被害を受けるという事件があったのです。
ワードプレスにセキュリティの問題が発見されると、すぐにバージョンアップしたソフトウェアが公開されます。しかしながら、問題の発見から解決までにはどうしてもタイムラグが生じてしまいます。
「サーバー攻撃されやすい」と言うと、とても恐ろしく聞こえるかも知れません。
しかし、インターネットに公開している以上、ワードプレスを利用している・利用していないに関係なく、すべてのサイトがサーバー攻撃を受ける可能性があります。
逆に、セキュリティ問題がすぐに解決されるからこそ、ワードプレスは世界中で利用されているとも言えます。
サーバー攻撃を恐れてワードプレスを避けるのではなく「もしも」に備えた運用をすることが賢い選択であると言えます。
ワードプレスを効果的に利用する条件とは
ワードプレスを安全かつ効果的に利用するためには、いかにサイトのセキュリティを高めておくかがポイントとなります。
せっかく作ったブログサイトでも、サーバー攻撃を受けて中身を改ざんされてしまってはどうしようもありません。
できるだけサーバー攻撃を受けにくくするように、管理画面のパスワードを複雑なものにしておくことはもちろん、セキュリティを高めるプラグインを導入することもおすすめな対策です。
しかし、いくらセキュリティに気をつけていたとしても、新種のサーバー攻撃や、サーバーのトラブルなどによってデータが壊れてしまうリスクはゼロにはなりません。
そういった緊急事態を想定して、日常的に準備しておきたいのが「サイトのバックアップ」です。バックアップがあれば、もしサイトのデータがすべて消失してしまったとしても、バックアップした時の状態にサイトを復元することができます。
ただし、ワードプレスはファイル数が多く、データベースとも密接に連動して動作しているため、バックアップ作業には時間がかかり、専門的な知識も必要となります。
もちろんバックアップを復元するときにも、専門知識がなければ復元のしようがありません。
そこで、あらかじめバックアップ機能を備えているサーバーにワードプレスを構築しておけば、専門的な知識がなくてもバックアップを簡単に実行することができ、もしものトラブルが発生した時でも、スムーズにサイトの復元を行うことができるようになります。
ワードプレスのサイトを安全に運用することを考えた場合、おすすめできるレンタルサーバーとして、まずJETBOYがあげられます。
出展:JETBOY
JETBOYのサーバー管理画面には、専門的な知識がなくても簡単にサーバーの「バックアップと復元」を行える機能が用意されています。
また、ワードプレスが簡単にインストールできることはもちろん、ワードプレスが高速に動作するようにサーバーのチューニングが施されています。
月々の費用も安価(月額817円から)に設定されており、初心者・プロを問わず、誰にでも使いやすいレンタルサーバーだと言えます。
まとめ
ワードプレスにはメリットとデメリットがありますが、すでに世界中で利用されていることからもわかるように、総合的に見ればメリットの方が圧倒的に多いソフトウェアです。
自由度が高く高機能なワードプレスは、今やオリジナルのブログサイト制作には欠かせない存在になっています。このワードプレスの勢いは、しばらく止まりそうもありません。
もし、オリジナルのブログやサイトの構築を考えているのであれば、ワードプレを利用してみる価値は充分にあります。
独自でワードプレスを運用していれば、アフィリエイトの設置にも制限はありません。
高機能であるがゆえに、最初こそ難しく感じる部分があるかも知れませんが、慣れてしまえばワードプレス以外の選択肢が考えられなくなります。
ぜひ、一度ワードプレスの世界に触れてみてください。
ライター:シンイチ
コーディングからシステム開発、アクセス解析までおこなうシステムエンジニア。
ブログ記事から自由詩まで奔放に執筆活動中。銭湯と怪談が好き。