2019年8月31日、東京リージョンでの障害に続き、North Verginiaリージョン(北バージニア・リージョン)にて「Amazon Elastic Block Store(EBS)」にデータ損失を伴う障害が発生しました。あまり騒がれていませんが、関連がないと言うにはタイミングが良すぎると思い、前回の記事に合わせて考察をまとめました。サイバー攻撃の可能性もゼロではないでしょう。
AWS:https://www.infrastructure.aws/
Epic GamesやRedditに影響
目次
北バージニアでもAWS障害発生
北バージニアは、アメリカ、ワシントンDCの近くにもあり、アメリカの中では地味に重要なスポットです。日本からはあまり情報が得られない場所ですが、AWS障害が起こったということで、最新情報をキャッチしました。それでも1週間経過しているので、情報としては古いです。
障害が起きた原因は、停電、及び、外部電源の動作不足でした。電力会社へのサイバー攻撃と合わせて行われたと考えれば、単なる障害では済まされません。東京リージョンのAWS障害といい、これほど連続して障害を起こす可能性は低いです。狙われているのは間違いなさそうです。事実かどうかはAWS公式の発表を待つしかないですが…。
被害者の声はかなり深刻
This. Yes we had a backup, and were able to restore, but AWS support was unhelpful. https://t.co/7Qqvq3u6t5
— Andy Hunt (@PragmaticAndy) September 5, 2019
【日本語訳】
まさにそれ。もちろん、バックアップがあったので、復元できましたが、AWSサポートは役に立ちませんでした。
Like I said in subsequent tweets, we *did* have a backup and were able to recover just fine. But Amazon’s support was quite poor.
— Andy Hunt (@PragmaticAndy) September 4, 2019
【日本語訳】
別のツイートでも言ったように、私たちは「バックアップ」を持っていたので、うまく回復することができました。 しかし、Amazonのサポートはかなり貧弱でした。
Amazon AWS had a power failure, their backup generators failed, which killed their EBS serversl, which took all of our data with it. Then it took them four days to figure this out and tell us about it.
Reminder: The cloud is just a computer in Reston with a bad power supply.
— Andy Hunt (@PragmaticAndy) September 3, 2019
【日本語訳】
Amazon AWSに電源障害が発生し、バックアップジェネレーターに障害が発生、EBSサーバーが停止しました。これにより、すべてのデータが使用されました。 それから、彼らが状況を理解して、我々に情報公開するのに4日かかりました。
覚書:このクラウドは、電力供給が弱いレストン発電所に頼っただけの脆弱なコンピューターに過ぎない。
大規模クラウドサービスとして脆弱だった
障害耐性を売りに、コストを売りにして宣伝している?とも取れるAWSですが、アメリカでさえ停電でデータ損失を起こし、情報公開に4日もかかったという状態です。停電は仕方がないですが、予備電源も数時間も動かせず、今まで何をしていた!?と被害者がブチ切れるのは仕方がないでしょう。
エンジニアであれば、バックアップは取ってあるはずですが、日頃信頼して頼っていた分、脆弱すぎる、危機管理ができていなさすぎる、いざという時の対策が弱すぎるという点で、明確に脆弱であることが割れた状態です。おそらくどこのAWSサーバーも、電力供給を断ってやればサーバーのデータ損失を起こせるでしょう。
そもそも電力会社、インフラ会社へのサイバー攻撃が盛んになっていたのは、ICS-CERTやUS-CERTの発表でも明らかで、しかも2017年には公的に警告が出されていました。それ故に、大企業AmazonのAWSとしては対策が脆弱過ぎるでしょう。とにかく警戒して、備えるしかありません。
今後もAWSを使う場合の対策

AWSで構築してしまったサービスを簡単に外部に移行することはできませんが、今のうちにGCPやIBMクラウド、Azureに分散する事はできます。いきなりサーバーを変更してサービス提供する必要はないですが、危機感が高まっている今のうちにサーバー移行を始めておけば、リスクを最小限にできます。

サイバー攻撃は少しずつ実行されます。分散して実行し、どこまでの攻撃が通じるか割り出してから、一気に潰しにかかります。Regionの場所、AZの位置などを見てみると、次に狙われるのはもしかしたら、
- Milan(ミラノ)
- Bahrain(バーレーン)
- Mumbai(ムンバイ)
ではないでしょうか。地理的に見ただけですが、攻撃しやすそうで、東京、バージニアから程よく離れていて、政治的にも経済的にもいろいろ起きている場所ですから、トラブルが起きても理由を付けやすいです。
まさかないとは思いますが、北米軍事系の情報でAWSを頼っているならば、バーレーン当たりはちょうどサイバーテロで狙うのに理由が揃っている場所でしょう。近くにはイランやイラクなどがあるため、ちょうどシビアな地域です。
AWSリージョン世界地図

AWS:https://www.infrastructure.aws/
AWSは世界に25カ所のリージョン、1カ所のローカルリージョンがあります。おそらく、これらのリージョンの開設時期も洗えば、何か見えてくるものがあるかもしれません。ちょうど脆弱な所が狙われているか、ちょうど脆弱なリージョンでエラーが頻発しているならば、次にAWS障害が起きてしまいそうな場所も分かります。
そこまで調べれば、対策が取れるでしょう。世界的に、グローバルに共通のサービスを提供しているサービスは少ないですが、ここまで見えていれば、FacebookやLinkedIn、Twitter、Pinterestなど規模が大きいサービスでは準備、バックアップなどを取る時間はあるでしょう。
こうした情報をなんとか集めて顧客のデータを守り、事前に手を打っておけば失うものは最小限で済みます。せめてデータが有れば復元できて、サービスも継続でき、信頼もギリギリ保てますので、インフラ屋は、日頃から研究、調査、実務を怠らないようにしましょう。
早期に気づいてたエンジニアも多い
あれ?今度は #AWS のEC2,RDSあたり N.Virginia で障害か。
— ぬん。 (@amasawa_seiji) August 31, 2019
virginiaも障害と、aws障害続くな。
— nish@THE KAMATA (@tomonishsh) September 2, 2019
全然気付かなかったけど、awsのvirginiaリージョンでもaz が一つ落ちたのか。。原因は電源障害らしい。
az が一つ落ちるのは基本かな。。— げっしー (@gessy0129) September 4, 2019
North VirginiaのAWS死んでて草
— みすける (@Misskeru_wow) August 31, 2019
AWS Amazon Relational Database Service (N. Virginia) Service is operating normally: [RESOLVED for more .. https://t.co/WyoQKsUibm #aws
— Cloudstatus (@cloudstatuseu) September 1, 2019
Some Epic Games services (e.g. Fortnite status right now) are down due to the outage in AWS in the North Virginia region. Other services like Reddit are also facing the same issues. pic.twitter.com/bKW3cnhUab
— Asriel_Dev // Fortnite News, Leaks, & Tools (@Asriel_Dev) August 31, 2019
「AWS Verginia」でTwitter検索すれば界隈の方々を見つけられます。狭いこの業界、つながっておいてもよいのではないでしょうか。
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