WEBサイトを公開する上で必須のWEBサーバーソフトウェアについて、代表的なソフトウェアは、Apache、Microsoft、Nginxなどですが、最近WEBサーバーへの導入率がUPしている今注目のLiteSpeedについて紹介したいと思います。
目次
LiteSpeedってなにそれ?
LiteSpeedはApache、Microsoft、Nginxなどに次ぐアメリカ発のWEBサーバーソフトウェアです。 最近では「第4のWEBサーバー」と呼ばれ徐々に導入する企業も増え、確実にシェアを伸ばしてきています。 ライセンスは有償のエンタープライズ版の他にOpenLiteSpeedというフリー版があるので無料で導入できます。 LiteSpeed Technologies (写真出展:LiteSpeed Technologies) では、そのLiteSpeedの特徴に迫っていきましょう。
LiteSpeedの3つの特徴とメリット
Apacheとの完全な上位互換
LiteSpeedはApacheと完全に互換性があるので、Apacheからの切り替えを行う場合、驚くほどスムーズに移行することができます。 具体的には、.htaccessや各種PHPモージュルなどApacheで使用していたものは全てそのまま使える形です。 WEBサーバー入れ替えでアプリケーション側を変更する必要がないのは本当に素晴らしいですね。 LiteSpeedのシェアがここ最近増えている理由の一つはこれだと思います。 WEBサーバーシェアNo.1のApacheと相互性を確保することで、Apacheからシェアを獲得できているのではないでしょうか。
HTTP/2を完全サポート
筆者がすごいなと思った特徴は「HTTP/2」をサポートしている点です。 HTTP/2は2015年5月にRFC標準化されたわりと新しいプロトコルなのですが、LiteSpeedは標準でHTTP/2に対応しています。 ブラウザがHTTP/2に対応していれば、問題なくHTTP/2でアクセスできるということです。 従来のHTTPと何が違うかというと、従来のHTTPは、1つのリクエストが完了するまで、次のリクエストを送ることができません。 分かりやすく言うと、サーバーのとあるページにHTTPアクセスすると、1枚ずつ画像を読み込むので大量の画像がある場合は、比例してレスポンスが低下します。 昔はよかったかもしれませんが、今は画像の大量リクエストは当たり前の時代なので非常に非効率なんです。 そこで登場したのがこのHTTP/2であり、一つのHTTPアクセスに対して並列に処理できるので画像の読み込みも高速に処理されます。 およそ3分の1程度にレスポンス応答時間を短縮できます。 下記サイトで実際の読み込みテストができるのでよかったら体感してみてください。 HTTP/2CDN demo (写真出展:http2.redbox.ne.jp) また、ChromeやFireFoxなどのブラウザであれば既にHTTP/2に対応しているので、サーバー側でHTTP/2が導入されていれば特に気にすることなくHTTP/2で接続されます。 但し、今の所はHTTP/2ではHTTPS通信が必須です。 現在アクセスしているページがHTTP/1接続なのか、もしくはHTTP/2接続か確認したい場合は、chromeの拡張プラグインを追加することでHTTP/2有効の有無を確認できます。 「HTTP/2 and SPDY indicator」プラグイン(Chrome版) LiteSpeedを導入することでHTTP/2のメリットを享受できるのは大変すばらしいことです。
Apacheより確実に速くNginxにも勝るレスポンス
では次に、LiteSpeedのレスポンス性能を見ていきましょう。 LiteSpeed Technologiesのベンチマークでは、驚くことにNginxを凌ぐレスポンス速度を計測しています。 リクエスト/1秒は5000を超えており、pache2.2の約3361%高速化されるという驚きの速さです。 ここまで処理速度が違うと、実際にサイトへアクセスした時の表示速度は体感でも感じられることでしょう。 (画像出展:LiteSpeed Technologies) ※ベンチマークで使用したサーバースペック
Supermicro X9SRH-7TF Intel Xeon E5-1620 Quad Core @ 3.60GHz 8GB RAM CentOS 6.4 with OpenVZ kernel 2.6.32-042stab081.8 Intel X540 10GBASE-T on board NIC Host IP: 192.168.0.22 Hard Drive: Samsung HD103SJ 1TB 7200rpm
LiteSpeedを採用しているレンタルサーバーは?
以上のように、相当なポテンシャルを秘めた第4のWEBサーバー「LiteSpeed」ですが、共有レンタルサーバーサービスでは導入しているところはまだまだ少ないようです。 ですが、既にLiteSpeedを導入しているレンタルサーバーがありますので紹介します。
JETBOYレンタルサーバーがLiteSpeedを採用
筆者が特におすすめしたいのはJETBOYレンタルサーバーです。 【JETBOYレンタルサーバー】 (画像出展:JETBOYレンタルサーバー) JETBOYは標準でLiteSpeedが使える国内では少ないレンタルサーバーサービスと言えるでしょう。 月額料金も817円からとリーズナブルな上に、サーバーハードウェア性能も24コア128GBメモリ搭載と申し分ありません。 公式サイトでWordPressのデモサイトリンクがありそのレスポンス性能を確認できるのですが、そのレスポンスはもはや圧巻です。 .htaccessやPHP挙動などはApacheの設定のまま使えるので、WEBレスポンスが遅く悩んでいる人は是非JETBOYへのお引越しを検討してみてはいかかでしょうか。 是非おすすめのレンタルサーバーです。
まとめ
筆者としては、LiteSpeedはまだまだこれからWEBサーバーソフトウェアとしてのシェアは伸びるだろうと感じています。 ざっくりとLiteSpeedを紹介しましたが、ポイントを下記にまとめました。
- LiteSpeedは第4のWEBサーバーでシェア数が伸びている
- Apacheとの完全な上位互換でApacheの設定をそのまま使える
- HTTP/2を完全サポートしていてレスポンスが約3倍に改善される
- ベンチマークでは堂々の1位。Apacheの30倍以上レスポンスを捌く
- JETBOYレンタルサーバーでLiteSpeedが使える
この記事を書いた人
HIBACHI 元大手システム会社のインフラ部門のマネージャーとして勤務後、有志と共にベンチャー企業立ち上げを経験。現在は同ベンチャーWEBインフラ部門の最高責任者を担当。ネットワーク、サーバーを得意とする。Webメディアへの寄与投稿多数。